男が「わたし」と呼んではだめなのか? ~日本語の1人称について~

日本語の一人称について

あなたは自分のことを何と呼びますか?
私?僕?俺?もしくは自分?
調べてみると日本語には10以上の1人称があるそうです。
どの1人称を使うかによってその人の印象がかわったりするの面白いですよね。

僕は高校生まで、自分の1人称が定まっていませんでした。
僕っていうとおぼっちゃまっぽいし、俺っていうと偉そうだし、私っていうと女かって思われそうだし。。。
と長いこと悩んでいましたね。だから、高校生くらいまでは1人称をできるだけ使わずにいました。
どうしても伝わらない時は、「こっち」「自分」って使ってたかな?

・日常生活で使ったことのある一人称(友達と話すとき)
俺、僕、私、あっし、自分、こっち、わし とか

最終的には高校の時にいろいろあったので、舐められないようにしようと思って、俺に定着しました。
自分も回りも違和感もありましたが、長いことかけて違和感がなくなってくるくらいまでにはなりました。
(変えた当時は、「お前は僕って言え!」みたいに謎に共有してくる人もいましたね。)

本題ですが、みなさんは”どの1人称を””なぜ”使っていますか?
家族の影響や友達、先生、漫画のキャラの影響など、多くの原因があるかなと思います。
僕の場合は、上に書いた通り”舐められないように”、”俺”を使い始めました。
今は特に意識することなく使えています。

一人称とは?

いち‐にんしょう【一人称】
文法で、人称の一。話し手、書き手が自分自身また自分自身を含む仲間をさす語。日本語では「わたくし」「わたくしたち」「ぼく」「ぼくら」「われ」「われわれ」など。
https://www.weblio.jp/content/%E4%B8%80%E4%BA%BA%E7%A7%B0

改めて見ると、自分のことをどう呼ぶかということですね。
自分が自分のことをどう呼びたいかによって呼び方を変えられるのが面白いところです。
ただ、子供のころは周りの人の影響を多く受けるので、ほとんどの人はものごころ気づいた時にはある程度定まっていたんじゃないでしょうか?
もちろん日本文化の特性上、立場によって、言い方を変えなければいけないことが多々ありますが。
ちなみにブログでは、丁寧語で話しているので、自分のことは僕と記載しています。

僕の一人称が定まらなかった理由と丁寧語の楽さ

大きく分けて①家庭要因 ②他人のことを気にしすぎる この2つが関係していると思っています。
小さいころからあまり話さなかったためか、家族を含め、他の人とコミュニケーションをとることがほとんどありませんでした。(今もあんまりありません)
また、自分の言いたいことが言えなかったり、他の人の反応にとりわけ敏感に育ったのが大きな原因かと思います。
そのことで、この一人称を使ったら変に思われるんじゃないか。。。みたいなのが16,17歳くらいまで続きました。
あの頃は1人称を使う機会があるたびに本当に苦労し、できるだけ使わず、ジェスチャーのみで自分だと伝えようとしていましたね。
それもあってコミュニケーションが苦手だったのかもしれません。
(ちなみに人の名前を呼ぶことも苦手ですが、それはまた別の記事で書きます。)

ただ、学校で発表をする時や、目上の人と話す時はかなり楽でした。
そういった場合には敬語(丁寧語)を使って発表しないといけないので。
自分の普段の呼び方が何であれ、僕で統一しないといけませんでしたから。
だから特にいろいろ考えることもなく、自然に僕と使えたので、当時丁寧語を使って話すほうが好きだった気がします。
一人称が定まっているかいないかで、話すときの負担がかなり変わるんですよね。
今は俺で定まっているので特にコミュニケーション時の難しさはありませんが、当時はかなり深刻でした。
少し余談ですが、英語と中国語の1人称は1つ(Iと我)なので、何も気にせず使えて楽だなと思いましたね。

男が「私」を使ってもいい?

タイトルに戻りますが、個人的には誰が何の1人称を使おうと構わないと思っています。
なぜかというと1人称って自分自身に関係するものであって、他の人に決められるものではないからです。
もちろん周りの影響は受けるとは思いますが、最終的にはどれが自分に適しているかを大事にするべきだと考えています。

僕の高校生の時の女友達で、「僕」を使っている子がいましたが、改めて素敵だなと感じます。
そのことについて本人に聞いたことがありますが「僕が一番しっくりくる。」と答えてくれました。
彼女は自分の我を貫くタイプだったので、周りから何を言われようとも1人称を変えませんでしたね。

実は僕は中学生の時に、少しだけ「私」を使ったことがありますが、周囲の反応はあんまりよくない感じだったので、すぐにやめてしまいました。
特別私にしたいというつもりで使ったわけではないので、大きな問題ではありませんでしたが、
今当時の自分に言うなら、「別に使ってもいいよ」というと思います。
せっかく日本語にはたくさんの1人称があるんだから、いろいろ使ってみて、一番しっくりくるものを選んだらいいと思うのです。
だから、男が私、女が僕を使おうと別に構わないし、なおかつそれでしっくりこなければまた別の1人称に帰ればいい。
なので、たくさん試して、自分にとって一番自分っぽいものを選んだらいいと、僕は考えています。

1人称で悩んでいる人へ

1人称ってほとんどの人にとってはなんともないことです。
ただ、僕たちのように1人称を使う時に何か引っかかったり、使いたくない、使いたい1人称があるけど、周りを気にして使えない、という状況にいる人がいることも確かです。
1人称を使わなくても生きていけますが、コミュニケーションの際にかなり負担になり、結果人と関わるのが苦手になったりすることが思うので、個人的には、1つの定まったものを持っておくことをお勧めします。
自分の性格の理解や方向づけにもつながりますし、メリットは大きいです。
どうしても言えない、という人は、信頼できる人に「実は一人称わからないんだよね。」と声をかけてみることも一つの手かもしれません。
悩みとして聞いてもらうことで、真剣に受け入れてくれることができれば、1人称を得るためのきっかけになると思います。
もし話せる人がいないよーという場合は、僕に話しもらっても大丈夫です。
思ったこと、感じたことをつらつらとつぶやいているアカウントですが、リプ・DMどちらでもどうぞ。


1人称が定まっていくことによって、少しでも生きるのが楽になるといいなと思っています。